ねこのぬいぐるみを捨てた日

あまりにも無気力でうまくいかない悪循環に入っているので家の中を簡易的ではあるが断捨離することに。

いつまでも使わない紙袋、ずっと置いているいつ使うのか分からない機材の箱などなど。

その断捨離候補の中に、ぺしゃんこというよりは平らに近いねこのぬいぐるみがひっそりあった。

細かな経緯は省くが、私がねこ好きになった理由と言ってもいい存在の一つではある。

ねこが好きでも猫アレルギー持ちの私からしたら疑似的なねこでも随分喜んで置いていた。

そこから長い年月が経ち、ふわふわで毛並みが整っていたあの頃からは想像が付かないくらいあまりにみすぼらしい姿になった。

今回は断捨離。ノータイムで大きなゴミ袋に入っていった。

 

翌日、いざ回収スペースに持っていこうとすると透明な袋の底から見える皺くちゃなぬいぐるみの顔が見えた。

胸が苦しくなった。

最近なんて存在すら忘れて扱いがあまりにも雑だったのに、いざ捨てる手前になると急にいろんな思いがフラッシュバックしてきたのである。

どれだけ私は未練というべきか、物に対して愛着を持ってしまったのだろうか。

ここで捨てないとまた荷物が増えるばかりであるから心の中で『ありがとうありがとう』と感謝の気持ちをずっと伝えながら回収所に置いた。

別にそこまで恥ずかしさとかそこまでないから時には思い出したいかもしれないからあえて残しておく。

さよなら、そしてありがとう。