【途中からネタバレあり】何かと話題の映画「とんかつDJアゲ太郎」感想
先々週に時間が取れたので友人と『とんかつDJアゲ太郎』を観てきました。
原作を連載時から全部読んで、実写映画化発表されて待っていました。
感想としては、いろいろツッコミ入れたい部分もありながらも起承転結はしっかりした実写化映画でした。
(ツッコミ部分に関してはネタバレ部分で解説)
ざっくりとよかったところ。
撮影に使用したクラブ・ライブハウスが「WOMB」で撮影してたから素人目だと機材とかもしっかりしてたように見えてその辺は雑にはしてなかったからよかった。
原作通りじゃないからキレたい人もいるだろうけど、あの映画の尺にどうにか収めたことを考えたらそこまで悪くはないとは思う。
(アニメも放映していたので、アニメの最終話であるLARD CITY開催くらいまではやってほしかったと言いたいけど難しい話。)
あくまでもとんかつ屋とDJを合わせて、どっちも揚げ(アゲ)ることができるか挑戦するまでの映画として見ましょう。。
他も原作そのままご本人さんだ・・・と思う人が何人かいて、そこはとてもよかった。
出演者にいろいろあって円盤化はないだろうなって思ってるのでこの大変な時期でも見に行けてよかった。
あと一度は聴いたことあるような曲が映画館で聴けてよかった。
好きなMaroon5のSugarが聴けて満足だったよ・・・(なんか使われ方があんまりだったけど)
主題歌のRunaway Babyの入り方に笑いました。D.C.GARAGEを昔聴いてたのもあって笑ったのかもしれない。
(※以降の続きからはネタバレが含まれております)
以下の文章はネタバレありの感想。
・主要キャラの立たせ方が勿体ない
DJオイリー(伊勢谷 友介)
油好きなDJめちゃうまい師匠的な人間は原作の形。
映画ではただトンカツを行儀悪く食べて、そこからグータラ人間へ。
変にマンガのこと意識してサラダ油の容器で何か飲むシーン入れたからもう混乱。
それならもうちょっと原作意識する部分加えていい。
友人が主催するクラブイベントで揚太郎ブッキングして紆余曲折あってオーガナイザーに怒られたりするのですけど、キャラクター性がなんかブレてた。
DJ屋敷(伊藤健太郎)
そもそも出演少なそうだとは思ってた。社長であり、人気DJ。
揚太郎がクラブイベントでやらかした時にピンチヒッターとして盛り上げる、ここまではいい。
上記のイベントのリベンジを果たすために揚太郎はコンテストに出場。審査員には屋敷も。
逆境を跳ね返して、盛り上げてるところに急遽参加してB2B・・・というかコラボを繰り広げようとする。
そのまま自分のプレイに満足したあとに「君にはまんまとアゲられたよ」って言うのは『えっそれ出番終わってからでもよくない?』と思ってこっちは一気に冷めた。
クールな要素を立たせたいのか、あくまでもなんでもできるけど空気がやや読めない余計なことさせる社長にさせたかったのかわからない。
結局コンテストには優勝できなかったけど、とんかつ屋の仕事が忙しくなって揚太郎は嬉しいって何かの風刺なのか、もしかして?
主人公揚太郎の父役でブラザートムがはまり役だったのが救い。
めちゃくちゃ良かった。もしかして原作の親父さん?ってくらい。
寡黙さを演じながらも揚太郎が落ち込んだ時には支えてあげる親父さんの姿は貫禄があった。
・とんかつ要素が弱い
揚太郎が働くとんかつ屋さんのパートでは話が進むほど、仕事ができるようになっていく。DJが上達したから仕事も上手く回るようになったように演出がある。
とんかつとDJのパートをそれっぽく一致させて、とんかつとDJってもしかして一緒じゃないのか、と彷彿させる流れならいいんだ。
とんかつはとんかつ、DJはDJとあくまで別の流れとして見せてることが多くて「とんかつ≠DJ」を感じたから何か違和感がある。
・・・やっぱり、とんかつとDJ別じゃない?
ブラザートム扮する親父と別の父親が呑んでるシーンで「この糠漬け、揚太郎が漬けたんだよ」くらいしか親父からは仕事では評価されてない。
設定上、寡黙な父親っていうのもあるから・・・けど、漬物DJ見に来たわけじゃないの。
・他の印象に残ったところ
そもそも原作のとんかつとDJって一緒じゃないかの解釈が始まるきっかけが、いろいろ機材とかがそもそも一緒じゃないか?って言って面白いところの解釈から始まる。
映画ではとんかつ屋とフロアの風景を一緒に考えて、フロアを盛り上げようとして頑張るところがいい。
機材とかそういう詳しいのではなく空気を読むみたいなざっくりした感じで分かりやすくあるからそこはよかった。
そもそも序盤のとんかつDJとしての解釈違いや、なぜか専属のスタイリストとかついてたDJ KOOのくだりの部分もっと作り込んだら面白くなったと思う。
ギャグとかセンスで持っていきたかったのだろうけど、まあスベってた気がした。わかんないけど私自身ではその感性がイマイチ理解できなかった。
実写決定からある程度は年月経ってたから本来やりたかったことから今時のYoutuberをかけ入れた部分を起点にして、想定していった起承転結に流したような印象だったからなんか逆にこじれたというかスタートがやや失敗したイメージ。
揚太郎の妹ころもが「とんかつも揚げれないのにDJもできなかったらどうするの?」みたいなセリフがすごく響く。
この映画で一番納得いく台詞かもしれない。
・まとめ
個人の感想としてはいろいろ粗があるから言いたいけど、内容としては悪くない。
けどオススメするかと言ったら評価が難しい作品。
個人的にはいろんな意味を含めての見れてよかったの一言。
あと、とんかつ食べたくならなかったのがちょっと悲しいくらい。
原作"も"非常に面白いから是非読んでほしい。
登場人物が増えていく度に面白さが増していく。3巻くらいから一気に面白さが化けて出てくる。