新卒がこの一週間で退職して思ったこと。
4月のこの時期は数年前に新卒で勤めていた自分の嫌な思い出が頭の中をぐるぐると巡りにめぐって気持ち悪くなる。
新卒の子を教える担当を担わなくてはいけない歳になり、「この子はどういう感受性なのか」とか手探りでこれからの教育方針を考えるだけで普段より一層疲れる。
何も社会も分からず、緊張してる人より自分のほうが早く帰ってしまいたい。そういう気持ちが湧いてくる。
つらくて帰りたいなんて思ってしまってごめんと思う気持ちが2年前くらいにはあったかもしれないが、今ではそうでもないから嫌な成長を遂げている。
ネガティブな内容で思いにふけていながら4月はスタート。
スタートした途端に新卒が一人退職した。
社内や外部の研修をグルグル回っていて、自分は全然話すタイミングがなかった。
3月の準備の間に自分が負の気持ちが4月に近づくにつれ、大幅増加してるだけ。
変わったことは準備した綺麗なデスクがそのまま誰もいない空席になったくらい。
本当にどういう人か一切わからないまま、いなくなってしまった。
地元で就職したのか、わざわざどこかから引っ越してきて一人暮らししたのか、どちらにせよ大変だろうと思った。
けど、すぐいなくなったからそこまで自分の周辺は変わらない。けど当人は大変だろうから心配にはなった。
わざわざ説明会まで赴き、何社も応募、面接も何回も受けてお祈りされてようやく得たかもしれない。
数日でその努力が全て何もなかったことになった。そう勝手に考えると胸が痛くなった。
『新卒を雇うのは会社からしたら先行投資。個の実力なんて知れてる。』
『けど、それでも投資して給料与えてるのだからすぐ辞められるとなるとこっちは大損だ。ましてや自分のメンツも潰れるし、いいことがない。』
『社会人としての自覚がないなら責任感がなくても大丈夫なバイトや日雇いでずっと食いつないでくれ。』
みたいなことを違う会社のある方がさらっと言ったけど、まあ一部セリフがナンセンスなところ以外は概ね同意できることだとは思った。
周辺の環境で人は大きく変わる。
『ここ最近の新卒なんて早い段階で辞めちゃうの前提で例年より多めに雇用した。』
このセリフを冗談かどうかわからないけど社内で、聞いた時にゾッとした。
昨今、企業形態次第ではヒューマンリソースの考え方も違うから苗から木を育てるというよりは使い捨てカイロみたいに冷たくなったら捨てる。
みたいな感覚がここ数年の間で培った感覚なのだろうなと思った。
いいところで自分もこちらから見切りをつけていきたい。
少し自分の経験談を。
最初勤めた会社は新卒でダメな自分にも関わらず、いろいろと先のことを提案してくれた。
今思えばものすごく優しい提案をわざわざしてくれているけど、時すでに遅し。自分自身精神的に壊れていた。
どういう選択を考えてもその先は「死」という現実にしか見えないから喚きながら辞職を希望した。
その後は退職までは空気みたいに扱われて窓際族の気持ちも味わえたからいい社会経験になった。
仕事を辞めたからって晴々とした気分でスッキリ爽快、元気満々なわけがなかった。
時間の感覚が狂った。朝なのか、夜なのか、そんなのどうでもいい感覚だった。
心は死んでいるけど身体は生きている。寝ても覚めても涙が止まらない。身体は震えて、寒気が出てくる。
寝転がると立ち上がりたくない。布団から出たくない。静かな部屋でただただ心音が聞こえるだけで生きててつらくなる。
風呂も入りたくない。ご飯も食べたくない。何もできない。
おかげでお風呂が嫌いになった。髪の毛なんていくら伸びても支障がないから生きていける。だから髪の毛を切りに行くこともかなり嫌いだ。
そんなやばい奴に落ちても、立ち直ってまた労働しているわけだからそこまでいく前に辞めれてよかったね、と思う。我慢はよくない。
辞めることに関して肯定も否定もしない。好きにすればいい。
自分自身いろいろ経て学んだことといえば、「どうにか生きているだけで十分だ」ということをゆっくり気付くことができた。
最近、自分の髪型を見て上司に「そろそろ髪を切ったほうがいい」とやんわり言われた。
だから、滅茶苦茶嫌な顔で営業スマイルをしながら「了解」と。
休みの日に髪の毛を切りに行った。
予約するかどうかだけでもう午後の気温が一番高いくらいの時間にまでなっていた。
『絶対上司にカット代請求してやるからな』とあまりにも無謀な計画を心に決めて予約して向かう。
スッキリした自分の姿を鏡で見ると気持ち悪くなった。
あの頃の錯乱具合、死んだような姿よりは血色もよくまだ生きれている。
社会人としては未熟かもしれないけど、それはそれで自分の生き方だと思う。
だから、すぐ辞表出したところで人生終わってないし、生き方を決めたからこそ出したのだと思う。
とりあえず数日でしたが、お疲れ様でした。どうかお元気で。