舌に幸福を、心に滋養を。

何かで見たのか忘れてしまったが「仕事で失敗した時こそ美味しいものを食べたり贅沢しろ」みたいな言葉を目にしたことがある。

私自身も大きなミスをしてしまった時があったから、その効果を試す時ではないかと思った。

だから思い切って普段行かないちょっとお高そうな寿司屋に行った。

ものの見事に場の空気に飲まれて、緊張していた。

その中でもわかるくらい寿司はとても美味しかった。

美味しかったという記憶だけが残って、その日の嫌だったことは今でも何が嫌だったのか思い出せない。

つまり、悪いことを良いことで上書きしてくれたおかげで、モヤモヤが消えてしまったのだ。素晴らしい。

だからと言って毎回失敗して、ついにはわざとやらかして寿司を食いに行く精神は持ち合わせたくない。

あくまでも心の応急処置。

バンドエイドよりは救命キットに近いレアなものであってほしい。

別にまだお偉いさんにも当分なれそうにはないけど、どこかで失敗して落ち込んでいる部下を連れていける店の一つや二つはあってもいいかなと思わせてくれた。

食べログとかそういうのではなく、ちゃんと自分の足で調べて自分の舌で感じたものをだ。

まさかの昇格の願望なんて考えてもなかったけど、その時は上昇志向にまでしてくれた。

(※個人差があるけど、私はそう思った。)

 

休日にリフレッシュも、もちろんいい。

だけど、すぐさまリフレッシュすることに意味がある時だってある。

この人生長いから幸せなこともあれば、辛いこともいくらでもあるだろう。

「失敗した時こそ、美味しいものを食べて贅沢をしろ」

贅沢は損ではない。心を豊かにしてくれている。

常に豊かにありたいものだ。

けど精神的、財布との兼ね合いでまだその豊かさが長続きするのはもう少し先かもしれない。